第2回障がいの種類
精神神経科の症状や病名は、よく耳にする「不眠」、「うつ病」や、馴染みのない「統合失調症」など様々です。その中には偏見や差別、誤解を招くものもあり病名を改変することもあります。また診断分類別により、同じ病気を指しながら病名が異なる等、整理されていないこともかなり残されています。
多くの人は病名よりも症状の方が分かりやすく、例にとりますと「うつになった」と云いますが、「うつ」という症状を呈する病気は精神科が担うべき「うつ病」はもちろんのこと、内科や外科、皮膚科の病気など、あらゆる病気でもうつになるのです。よって医師は「うつ」という症状を呈する病気の内、身体の病気がないかどうか検査等で調べて診断を決めていきます。
身体科と精神科は二極化するとそれぞれ大きなカテゴリーにもかかわらず、身体の方は外科や内科、内科でも呼吸器内科、循環器内科等のように細分化されていますが、精神科は一つの科ですから障がいや病気は多岐にわたります。
4、対象となる障がいや病気は、どのようなものがあるのか?
障がいや病気は、いくつかの特徴から分類され診断されます。
1)血液検査やCT、MRI、脳波検査等で原因が分かるか否か;原因が分かるもの、例えば最近物忘れが多くなったのでMRI検査をしたら「脳が萎縮している」といわれ「アルツハイマー病」と診断された、というのは器質性精神障害といい、脳に明らかな原因を見いだせるものをいいます。また脳以外の身体の病気により出現するものを症状性精神障害といいます。
2)上記で検査しても原因が分からないものを機能性精神障害といい、統合失調症や躁うつ病などが挙げられます。
3)アルコールや薬物などの精神作用物質によるもの:それらを中毒性精神障害といい、アルコール依存症や覚せい剤乱用後遺症を指します。
ここまでを「精神障害」と云う言い方をします。
4)神経症やストレス関連障害:何らかの状況に反応して起こる障がいで、パニック障害や恐怖症、PTSD (心的外傷後ストレス障害)等をいいます。
5)人格や行動の障害:人格のあり方により、行動が人間関係や社会的立場などに著しく不適応を起こすものと定義されています。
6)小児の心理的発達や行動の障害:小児期、思春期など、その年齢において特徴的に出現しやすい障がいとして、広汎性発達障害としての自閉症、その他注意欠陥多動性障害、学習障害等が挙げられます。
これらの障がいや病気の詳細については今後シリーズでお伝えします。
次回は治療の方法について概論をお話しします。