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コラム

第27回ぼけないためにーお年寄りとその家族のために(中)

『ボケ:認知症とは』

 

一般に人は誰でも年をとると体が衰えるのと同じように脳も衰えます。物覚えが悪くなり、物忘れや置き忘れが多くなり、同じ話の繰り返しが多くなったりします。しかし、そういう人の多くはそれほど支障なくふだんの生活を送っています。

 

これに対し、日常生活にさまざまな支障が出てくるのが認知症老人です。(実はそれ程はっきりと線を引くことはできないのですが・・・。)

 

そういう人に共通して認められるのが、記憶や認知の障害、理解や判断の障害、情動や社会的行動の障害、そして人格の変化で、これを中核症状と言います。

 

一方、そのような中核症状に基づき、さまざまな状況によって生じる、せん妄(夜間に多く夢うつつの状態で混乱した言動を認めます)や黄昏症候群(夕方になると落ち着かなくなり自分の家にいても「帰らせてもらいます」と言ったりすることもあります)のような意識障害の一病態から、物盗られ妄想(置き忘れたりしまった場所を忘れてわりと身近な人に「あんたが盗った」と訴える妄想で女性に多いと言われています)や嫉妬妄想(連れ合いが浮気していると訴える妄想で男性に多いと言われています)に代表されるような妄想や幻覚、あるいは、不安、焦燥、不眠、攻撃性から、記憶の混乱にともなう精神症状まで、さらには異食、過食、収集癖あるいは盗癖、徘徊などの異常な行動を周辺症状と言います。

 

この周辺症状が認知症を一見重く見せていたり、また介護する家族にとって大きな負担となっています。

このような認知症状を呈する疾患として、代表的なものがアルツハイマー型認知症(原因は不明ですが脳の神経細胞が減少し、脳全体が萎縮します)と脳血管性認知症(脳の血管が詰まったり破れたりすることが原因ですが、脳梗塞の多発によるものが70-80%を占めます)で、この二つの認知症が全体の80%を占めています。(さらに最近では認知症にパーキンソン症状と幻覚を伴うびまん性レビー小体病が以外と多いことが判ってきて、この三つを三大認知症と言うこともあります)

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