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コラム

第28回ぼけないためにーお年寄りとその家族のために(下)

『ボケ:認知症の診断』

 

問診がとても重要になります。いつ頃から、どのような症状が出てきたのか?現在どのような症状があって、どのように困っているか?今までにかかったことのある病気は何か?現在、治療中の病気はあるか?どんな薬を飲んでいるか?このような問診の情報が診断に役立つだけでなく、介護の上でもとても参考になります。

さらに、神経心理テスト(簡単な知能検査)を行いどのような能力がどの程度障害されているかを検査します。また必要に応じて脳の画像診断や血液・尿検査も行います。特に急に認知症状態が生じた場合は原因となった病気を治療することで改善するものもあります。

 

一般に、どの認知症も慢性進行性の経過を辿りますので注意が必要です。

 

『ボケの治療と予防』

では『ボケ:認知症』にならないためにそしてその進行をふせぐためにはどうすればいいでしょうか。

実は、身近なところに大きなヒントがあります。高齢になっても元気なお年寄りの生き方を参考にすればいいのです。そういう方は節度のある食生活をし、適度に体を動かし、毎日規則正しい生活を送っています。さらに、多少体が不自由になったとしても、いつも物事に興味や関心を持って、何よりも感性豊かな生活を送っています。

 

これも浜松医療センターの金子先生の調査のデータですが、実際に100 歳以上で神経心理テストが満点だった53人のカクシャク老人の生活に共通していた特徴は次のようなことでした。①感性が豊かで生きがい・趣味を持っている。②時代の移り変わりに敏感で関心を持っている。③新聞・テレビなどを見る。ニュース・スポーツなどを好む。④友人との交際を好む。⑤ふだんから足腰を鍛えている。⑥食物では乳製品・肉類を好みたくさん食べる傾向がある。そしてどの方も勤勉家で努力家だったそうです。

 

さらに、『ボケ』になりかけた人に対しても、脳の活性化訓練を続けることで進行を防げることが分かってきました。また、数年前から『ボケ』の進行を予防する薬も利用できるようになりました。不眠やせん妄のような介護を困難にする周辺症状に対しても適切な薬物療法を行うことで改善させることもできます。

 

いずれにしても「ボケは一日にしてならず」で、いろんな意味で若い頃からの生き方がとても大切だと私は考えています。

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